こんにちは、『ローカログ』鹿児島担当ライターのたけはるです。みなさん、南九州市って実はお祭りがとっても豊富な地域だってご存じでしたか?わたしも霧島市出身で何度か南九州市を訪れているのですが、訪れるたびに「次はあのお祭りの時期に来たいな」と思わせてくれる魅力があるんです。今回は南九州市のお祭りを一覧でまとめて、季節ごとの見どころをお届けします。お子さん連れの家族旅行や、ドライブがてらの観光にもぴったりの情報ですよ♪
南九州市ってどんなところ?
南九州市は鹿児島県の薩摩半島南部に位置し、「知覧」「川辺」「頴娃(えい)」の3つの町が合併して誕生した市です。知覧は「薩摩の小京都」とも呼ばれる美しい武家屋敷の街並みが有名ですし、川辺は伝統工芸の仏壇づくりで知られています。頴娃町は開聞岳を望む絶景とお茶の生産が盛んな地域。それぞれの町に受け継がれてきた伝統行事やお祭りがあり、一年を通してさまざまな催しが楽しめます。
では早速、南九州市のお祭りを季節別に見ていきましょう!
春から初夏のお祭り
御田植祭(6月)
毎年6月10日ごろに行われる御田植祭は、五穀豊穣を願う伝統的な農耕儀礼です。猿田彦が見守るなか、棒踊りや田の神舞が奉納されます。田植えの時期に合わせて行われるこの祭りは、南九州市の農業文化を象徴する大切な行事。素朴であたたかい雰囲気がじんわりと心に沁みてきます。
川辺二日市(2月)
厳密には冬から春への境目ですが、川辺二日市も見逃せません。地元の特産品や日用品が所狭しと並ぶ伝統の市で、多くの人でにぎわいます。寒い時期ながらも活気にあふれた雰囲気を楽しめますよ。
夏のお祭り
知覧ねぷた祭(7月下旬)
南九州市の夏といえば、やっぱり知覧ねぷた祭!毎年7月下旬に知覧まち商店街で開催されるこのお祭りは、高さ5メートル、縦横4メートルもある巨大な扇形のねぷたが夜の街を練り歩きます。「えっ、鹿児島でねぷた?」と不思議に思う方もいるかもしれませんね。
実はこのお祭り、青森県平川市(旧平賀町)との青少年交流がきっかけで始まりました。ホームステイを通じて交流を深めるなかで、ある少年の熱意が行政を動かし、平成8年に初めて開催されたそうです。勇壮な武者絵が描かれたねぷたと、鮮やかな囃子・踊り連が知覧の夜を夏色に染め上げる光景は圧巻のひとこと!
2025年は7月26日(土)に開催予定。無料シャトルバスも運行されるので、アクセスも便利です。
豊玉姫神社 水からくり(7月上旬)
知覧町郡に鎮座する豊玉姫神社では、毎年7月9日・10日の六月灯にあわせて「薩摩の水からくり」が上演されます。国の無形民俗文化財に選択されている貴重な伝統芸能で、神社前を流れる用水路の水車を動力源として、からくり人形が一場の芝居を演じるんです。
電気もモーターも使わず、水の力だけで人形が動く様子はまさに日本のものづくりの原点。お子さんと一緒に見れば、きっと「すごい!」と目を輝かせてくれるはず。わたしも息子を連れて行きたいと思っているお祭りのひとつです。
川辺祇園祭・花火大会(7月下旬)
2025年で記念すべき100年目を迎える川辺祇園祭は、八坂神社の祭礼として大正14年から続く歴史あるお祭りです。疫病退散、厄除け、五穀豊穣、商売繁盛を祈願するこの祭りでは、かわなべ開運夢通り商店街が歩行者天国になります。
見どころはたくさんありますよ。
- 華麗な装飾の御所車や山車
- 迫力満点の神輿
- 華やかな踊り連の練り歩き
- 約2千発の打ち上げ花火
- 音楽に合わせて打ち上がるミュージック花火
夜空を彩るミュージック花火がフィナーレを飾る瞬間は、思わずぐっと胸が熱くなります。100年の節目に立ち会えるなんて、なかなかない機会ですよね。
秋のお祭り
南薩摩の十五夜行事「ソラヨイ」(旧暦8月15日)
知覧町中部地区一帯で受け継がれている「ソラヨイ」は、国の重要無形民俗文化財にも指定されている貴重な伝統行事です。旧暦八月十五夜の晩、ワラで作った笠と腰蓑を身につけた男の子たちが、「ソラヨイ、ソラヨイ」と歌いながらワラ小積みや土俵のまわりでシコを踏みます。
月に豊作を感謝するこの行事は、素朴でありながらどこか神秘的な雰囲気。地域の子どもたちが主役となって伝統を守り継いでいる姿に、心がほっこりあたたまります。
小京都ふるさと祭(10月頃)
農業と観光をテーマにした秋祭りで、知覧の豊かな実りを祝います。ステージでは歌謡や舞踊が披露され、地元の特産品販売も充実。南九州市ならではの新鮮な野菜やお茶を手に入れるチャンスです!
南九州市あかりの道標~ちらん灯彩路~(11月上旬)
秋の夜長にぴったりの幻想的なイベントが「ちらん灯彩路」です。知覧武家屋敷庭園周辺に約7,000個もの竹灯ろう・紙灯ろうが灯され、一夜限りの光の道が現れます。2025年は11月8日(土)に開催予定。
美しい日本の歴史的風土百選にも選ばれた武家屋敷通りが、やわらかな灯りに包まれる光景はまさに絶景。イベント時間内は入園料無料というのも嬉しいポイントです。カメラ好きのわたしとしては、ぜひ三脚を持って訪れたいスポット!
かわなべ磨崖仏まつり with 農業祭(11月上旬)
清水岩屋公園で開催されるこのお祭りは、日本最大級の磨崖仏を背景に農業の収穫を祝う催しです。2025年で36回目を数え、地元の農産物販売やステージイベントなど盛りだくさんの内容。自然豊かな環境のなかで、ゆったりとした時間を過ごせます。
えいのゴッソイまつり(11月下旬)
頴娃運動公園をメイン会場に開催される「えいのゴッソイまつり」は、頴娃町の魅力をまるごと楽しめるお祭りです。「ゴッソイ」とは鹿児島弁で「すべて」という意味。その名の通り、頴娃の魅力を「ぜんぶ」味わえる一日になっています。
お祭りの内容をご紹介しますね。
- 南薩の食材を使った限定グルメ
- 働く乗り物体験(お子さんに大人気!)
- 昔ながらの遊び体験
- 楽しいステージイベント
- フィナーレを飾る迫力の花火
2025年は11月30日(日)開催予定。花火は18時から打ち上げられ、間近で見られる迫力は格別ですよ。
冬のお祭り
かぎ引き祭り(2月第3日曜日)
300年以上の歴史を持つ「かぎ引き祭り」は、五穀豊穣と無病息災を願う伝統行事です。二股状の雌木とかぎまたの雄木を絡ませて引き合い、3回勝負で先に2勝した地区がその年豊作になるといわれています。
鈎(かぎ)の枝を持ち帰ると一年間無病息災で過ごせるという言い伝えもあり、縁起物として人気。冬の澄んだ空気のなか、地域の人々が一体となって盛り上がる姿にワクワクします。
南九州市のお祭りカレンダー
| 時期 | お祭り名 | 開催場所 |
|---|---|---|
| 2月 | かぎ引き祭り・川辺二日市 | 各地区 |
| 6月 | 御田植祭 | 市内神社 |
| 7月上旬 | 豊玉姫神社 水からくり | 豊玉姫神社 |
| 7月下旬 | 知覧ねぷた祭 | 知覧まち商店街 |
| 7月下旬 | 川辺祇園祭・花火大会 | 川辺町・諏訪運動公園 |
| 旧暦8月15日 | ソラヨイ | 知覧町中部地区 |
| 10月頃 | 小京都ふるさと祭 | 知覧地区 |
| 11月上旬 | ちらん灯彩路 | 知覧武家屋敷庭園 |
| 11月上旬 | かわなべ磨崖仏まつり | 清水岩屋公園 |
| 11月下旬 | えいのゴッソイまつり | 頴娃運動公園 |
おわりに
南九州市のお祭り一覧、いかがでしたか?知覧・川辺・頴娃、それぞれの地域に根づいた伝統行事が、こんなにも豊かに残っているんです。国の無形民俗文化財に指定されている行事から、地元の人々が手づくりで盛り上げるアットホームな催しまで、どれも魅力的なものばかり。
わたしも九州内で転勤を何度か経験していますが、やっぱり鹿児島の人のあたたかさやお祭りへの情熱は特別だなと感じます。ぜひ一度、南九州市のお祭りに足を運んでみてください。きっと心に残る思い出ができますよ😊
「人生で大切なのは、何を見たかではなく、何を感じたかである」―ヘレン・ケラー
お祭りの熱気、灯ろうのやさしい光、花火の迫力…南九州市で感じた「心の声」を大切に、また次の旅へ出かけてみませんか?みなさんの鹿児島の旅が素敵なものになりますように!


















