こんにちは、『ローカログ』奈良県担当ライターのこよりです。みなさん、奈良県の東部に位置する宇陀市には、どんなお祭りがあるかご存じですか? 万葉の時代から続く歴史ある土地だけあって、宇陀市のお祭り一覧を見ると、一年を通じてさまざまな伝統行事が息づいています。今回は、春夏秋冬それぞれの季節に開催される宇陀市のお祭りを、地域ごとの特色も交えながらご紹介しますね♪
新年を祝う宇陀市のお祭り
宇陀市の一年は、榛原地域にある鳥見山での「ご来光まつり」から始まります。元旦の朝、神武天皇ゆかりの霊峰から拝む初日の出は格別です。
1月18日には大宇陀地域の平尾水分神社で「オンダ祭り」が行われます。五穀豊穣を祈願するこの伝統行事は、地元の方々に大切に受け継がれてきました。
2月に入ると、宇陀市内各地で「初えびす」が開催されます。菟田野古市場では2月7日、榛原では2月10日、大宇陀では2月11日と、それぞれの地域で商売繁盛を願う賑やかな催しが行われますよ。
春の訪れを告げる華やかな祭り
宇陀市の春といえば、やっぱり桜。室生地域の大野寺では3月下旬から4月上旬にかけて「桜まつり」が開催され、樹齢300年を超えるしだれ桜が見事な姿を見せてくれます。
榛原地域にある佛隆寺の「千年桜」は、県内でも屈指の古木として知られ、4月上旬から中旬にかけて花見会が催されます。樹齢900年以上ともいわれる桜を眺めながら、春のひとときをゆったり過ごしてみてはいかがでしょうか。
4月21日は室生寺の「正御影供(しょうみえく)」。弘法大師・空海の命日にあたるこの日は、シャクナゲの花が咲き誇る中、お稚児参りも行われます。地元のお子さんたちが可愛らしい姿で歩く様子は、思わず笑顔になりますね。
5月上旬には榛原地域で「鳥見山つつじ祭り」が開催されます。数千株もの山つつじが山全体を彩る様子は圧巻! 万葉歌碑も点在していて、歴史ロマンを感じながらハイキングが楽しめます。
宇陀市の夏祭り情報
夏の宇陀市は、お祭りムード一色に染まります。6月上旬には大宇陀地域の阿紀神社で「あきの蛍能」が開催されます。
この薪能は、寛文年間から大正時代まで続いた伝統を、平成4年に復活させたもの。蛍が舞う幻想的な夜空のもとで観る能は、まさに夢のようなひとときです。
7月下旬には室生地域で「室生へまぁ~より祭」が行われます。地元の方々の手作り感あふれる温かい雰囲気のお祭りで、家族連れにもぴったりです✨
8月4日の「宇陀市はいばら花火大会」は、夏の風物詩として多くの人が訪れます。夜空に咲く大輪の花火を眺めながら、宇陀の夏を満喫してくださいね。
8月15日には大宇陀地域で「阿騎野ふるさと夏まつり」が開催されます。心の森総合福祉公園を会場に、盆踊りやステージイベントが行われ、地域の方々の熱気に包まれます。
翌8月16日は菟田野地域の「古市場納涼夏まつり」。提灯に灯がともる頃、境内には露店が並び、夏の夜を楽しむ人々で賑わいます。
秋の伝統行事が見どころ満載
宇陀市の秋祭りは、どれも歴史と伝統を感じる素晴らしい行事ばかりです。特に注目したいのが、10月に集中して行われる神社のお祭りたち。
篠畑神社秋祭り~神幸祭~
榛原山辺三にある篠畑神社は、『日本書紀』にも登場する由緒ある神社です。天照皇大神ゆかりの「元伊勢」のひとつとして知られ、お稚児さんが特殊神饌をお運びする独特の風習が今も続いています。
うたの秋祭り~神輿渡御祭~
10月の第3日曜日に行われる「うたの秋祭り」は、1000年以上の歴史を持つロマンチックな祭礼です。宇太水分神社の男神・速秋津彦命と、惣社水分神社の女神・速秋津姫命が、年に一度だけ逢瀬を楽しむという伝説に基づいています。
往復約12キロメートルの道のりを、時代装束に身をまとった行列や神輿がトコトコと練り歩きます。毛槍や花籠、神輿太鼓を従えた渡御行列は、まるでタイムスリップしたような気分に。各地域から繰り出す6台の太鼓台が神社境内を所狭しと練り歩く姿は、迫力満点です!
菅原神社秋祭り~火祭り~
大宇陀田原地区で10月第4日曜日に行われる「火祭り」は、150年以上続く勇壮な伝統行事。
このお祭りの象徴である大松明は、長さ約7メートル、重さ約100キログラムもあり、男性15人がかりで担ぎます。「ヨイト―、カイト―」という威勢のいい掛け声は、「良い垣内(かいと)」、つまり「この地区は安泰である」という意味が込められているそうです。
墨坂神社秋季大祭~渡御行列~
11月3日に榛原萩原で行われるこのお祭りは、日本最古の健康の神を祀るといわれる墨坂神社の秋季大祭です。
墨坂神社は、かつて西峠の「天ノ森」にありましたが、文安6年(1449年)に現在地へ遷宮しました。秋季大祭では、旧社地から現在の社地まで、氏子や地域の方々と共に「オワタリ」が行われます。
龍穴神社秋祭り~室生の獅子神楽~
室生地域の龍穴神社では、毎年10月に二頭の獅子が舞う秋祭りが開催されます。龍神信仰とゆかりの深いこの神社は、水の神・タカオカミノカミを祀り、古くから雨乞いの聖地として崇められてきました。
五穀豊穣と魔除けを祈願する獅子神楽は、龍神さまの恵みに感謝する人々の喜びがあふれるお祭りです。
晩秋から冬にかけてのイベント
11月上旬には榛原地域で「あいさこいさまつり」と「はぎあかり」が開催されます。榛原萩原周辺の町並みがロウソクの灯りでライトアップされ、しっとりとした秋の夜を演出してくれますよ。
菟田野地域では11月中旬に「毛皮革フェア in UTANO」が行われます。菟田野は古くから皮革産業が盛んな地域で、この時期は特産品を求めて多くの人が訪れます。
そして、冬の宇陀市を代表するイベントといえば「かぎろひを観る会」。旧暦11月17日の早朝に開催されるこの催しは、万葉歌人・柿本人麻呂が詠んだ歌にちなんだもの。
「ひむがしの 野にかぎろひの 立つ見えて かへりみすれば 月かたぶきぬ」という有名な一首は、まさにこの地で詠まれたとされています。厳冬のよく晴れた夜明け、日の出1時間ほど前に現れる最初の陽光「かぎろひ」を、たき火を囲みながら待つ体験は、ほかでは味わえない特別なもの。阿騎野朝市などの催し物も行われ、早起きした甲斐がある充実した朝になりますよ😊
宇陀市のお祭りを楽しむポイント
宇陀市のお祭りを一覧で見ると、四季折々にさまざまな行事があることがわかります。どのお祭りも、地元の方々が大切に守り続けてきた伝統ばかりです。
お祭りを訪れる際のポイントをまとめました。
- 秋祭りは神社の境内で行われることが多いため、歩きやすい靴がおすすめ
- 夏祭りは屋台グルメも楽しみのひとつ
- かぎろひを観る会は早朝開催のため、防寒対策をしっかりと
- 渡御行列は沿道のどこからでも見学可能
- 開催日時は年によって変更になる場合があるので、事前確認を
奈良市内からは車で約1時間、近鉄榛原駅を拠点にアクセスできます。宇陀の自然豊かな風景の中で行われる伝統行事は、都会の喧騒を忘れさせてくれる癒しの時間になるはずです。
わたしも実際に「うたの秋祭り」を見に行ったことがありますが、時代装束をまとった行列が静かな山里を練り歩く光景は、本当に心に残るものでした。ぜひ一度、宇陀市のお祭りに足を運んでみてくださいね🍂
「人生に必要なのは、勇気と想像力、そして少々のお金です」── チャールズ・チャップリン
伝統を守り続ける宇陀の人々の姿には、静かな勇気と豊かな想像力を感じます。みなさんも、宇陀市のお祭りで日本の原風景に出会う旅に出かけてみませんか? きっと、心がほこほこと温まる素敵な思い出ができるはずです。

















