こんにちは、『ローカログ』長崎県担当ライターのこうたです。長崎県には数多くの離島がありますが、玄界灘に浮かぶ壱岐島は「神々が宿る島」として古くから知られています。今回は壱岐市のお祭りを一覧でご紹介しながら、この島ならではの祭事の魅力をお伝えしていきますね。
壱岐島には150を超える神社が点在し、季節ごとにさまざまな伝統行事が執り行われています。みなさんは、離島ならではのお祭りに足を運んだことはありますか? 島の空気感とともに味わう祭りの熱気は、本土では体験できない特別なものがあるんです。
壱岐市の夏祭り|島が最も熱くなる季節
郷ノ浦祇園山笠
壱岐島最大の夏祭りといえば、やはり「郷ノ浦祇園山笠」でしょう。280年以上の伝統を誇るこの祭りは、毎年7月の第4土曜・日曜に開催されます。1737年(元文2年)に疫病退散を祈願して山笠が奉納されたのが始まりとされています。
現在は「新道流」「本町流」「下山流」「塞流」の4つの流れが山笠を奉納し、五穀豊穣や商売繁盛、大漁祈願、家内安全を願います。見どころは「佐賀里の階段登り」。狭く急な階段を山笠が登っていく姿は圧巻ですよ。
前夜祭では出店が立ち並び、演芸祭やステージイベントで盛り上がります。本番当日は朝9時頃から塞神社での神事が始まり、その後、男たちの勇ましい掛け声とともに「舁き山」が町を駆け抜けていきます。勢い水が飛び交う中での山笠巡行は、見ているこちらまで熱くなってきます😊
壱岐の島 夜空の祭典
お盆の時期、8月13日に勝本港で開催されるのが「壱岐の島 夜空の祭典」です。約50年近く続く歴史ある花火大会で、約2000発の花火が夜空を彩ります。
この花火大会の魅力は、観覧場所と打ち上げ場所の近さにあります。港特有の地形が音を反響させるため、花火の迫力がより一層増すんですよね。お盆に帰省した島民と観光客が一緒になって、夏の夜を楽しむ光景が広がります。
瀬戸納涼花火大会
壱岐島南部の瀬戸浦地区で行われる「瀬戸納涼花火大会」も見逃せません。精霊流しの後に打ち上げられる花火は、どこか幻想的な雰囲気があります。ご先祖様を送り出した後の静かな海に花火が映る様子は、壱岐ならではの風情を感じさせてくれます。
壱岐市の秋祭り|神楽と例大祭の季節
聖母宮大祭
毎年10月10日から14日にかけて、勝本町の聖母宮で行われるのが「聖母宮大祭」です。寛文5年(1665年)から約350年以上続く、壱岐を代表する秋の大祭です。
聖母宮は神功皇后を祀る創建1300年以上の歴史深い神社。大祭期間中はさまざまな神事が執り行われます。スケジュールは以下の通りです。
- 10月10日「十日祭」:神社での神事の後、神輿が御神幸船で御旅所へ移動
- 10月11日~12日「日供祭」:朝夕に神輿へお供えを捧げる
- 10月13日「宵祭」:壱岐大神楽が奉奏される
- 10月14日「例大祭」:船競争(フナグロ)が行われる
特に最終日の船競争は必見です。赤組と白組に分かれた和船が競い合い、祭りはフィナーレを迎えます。勝った舟に御幣が渡され、にぎやかなお囃子とともに神輿が還御されていく様子は、壱岐でしか見られない貴重な光景ですよ。
壱岐神楽と秋季例大祭
壱岐島では秋から冬にかけて、島内各地の神社で「壱岐神楽」が奉納されます。約700年の古い伝統と歴史を持つ神事芸能で、国指定重要無形民俗文化財にも指定されています。
壱岐神楽の特徴は、壱岐の神社の神職のみに許される神事であること。口伝で受け継がれてきた音楽や舞は、神恩感謝と五穀豊穣を願って奉納されます。秋から冬の時期に壱岐を訪れれば、どこかの神社で神楽に出会えるかもしれません。
壱岐市の冬祭り|荘厳な神楽の世界
住吉神社「壱岐大大神楽」
壱岐島のほぼ中央に鎮座する住吉神社では、毎年12月20日に「壱岐大大神楽」が奉納されます。全国に2300余りある住吉神社の中でも、最も古くから信仰を集めているとされるこの神社。深い森に囲まれた境内で行われる神楽は、荘厳な雰囲気に包まれています。
壱岐の神楽は室町時代に始まったとされ、33もの演目があります。約6時間にも及ぶ神楽は14時頃から始まり、夜には境内が緑色にライトアップされて神秘的な空気に。長時間の神楽ですが、演目ごとに違った見どころがあり、時間を忘れて見入ってしまいます。
壱岐大大神楽公演
夏にも神楽を楽しめる機会があります。8月25日に開催される「壱岐大大神楽公演」は、国指定重要無形文化財に指定された壱岐神楽を公演形式で鑑賞できる貴重なイベントです。
壱岐市の春祭り|新年と春一番の島
壱岐七社巡り
お正月の壱岐では「七社巡り」という習慣があります。これは江戸時代、壱岐を支配していた平戸藩の藩主が特別に崇敬した七つの神社を巡拝するもの。自分の家に近い神社から時計回りに巡るのが良いとされています。
年の初めに豊作、大漁、家内安全、健康長寿を祈願して七社を巡る。島の人々にとって大切な新年の行事なんですね。観光で訪れた際にも、ぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。
春の市
4月になると、島内5か所で順番に「春の市」が開催されます。毎年4月の第3日曜日から始まるこの春の風物詩は、商店や露店が軒を連ね、島民も観光客も一緒に賑わう恒例のイベントです。
もともとは旧暦4月8日に農繁期前の準備として始まったもので、海の幸と山の幸を物々交換する市だったそうです。近年では母の日に合わせて開催されることもあり、赤いカーネーションを手にする人の姿も見られます。バザーやカフェ、ライブ、フードスペースなど、バラエティ豊かな出店が並びますよ😊
春一番発祥の地
実は壱岐市は「春一番発祥の地」としても知られています。163年前の江戸時代、春の暴風によって大勢の地元漁師が遭難したことがきっかけでした。郷ノ浦町の神浦港岸壁近くには「春一番の塔」が建てられており、この悲しい歴史を今に伝えています。
壱岐市のスポーツイベント
壱岐市では伝統的なお祭りだけでなく、スポーツイベントも盛んに開催されています。
- 「壱岐の島新春マラソン大会」:新春の壱岐路を駆け抜けるマラソン大会
- 「ツール・ド・壱岐島」:風光明媚な景色を楽しみながらのロードレース
- 「神々の島 壱岐ウルトラマラソン」:壱岐の観光名所やオーシャンビューを楽しみながら走る大会
適度なアップダウンのあるコースは、ランナーやサイクリストに人気が高いそうです。お祭りとは違った形で、島の魅力を体感できますね。
壱岐市のお祭り年間カレンダー
| 時期 | お祭り・イベント名 | 開催場所 |
|---|---|---|
| 1月 | 壱岐七社巡り、壱岐の島新春マラソン大会 | 島内各所 |
| 4月~5月 | 春の市(5か所で順次開催) | 瀬戸・勝本・芦辺・石田・郷ノ浦 |
| 7月 | 郷ノ浦祇園山笠 | 郷ノ浦町市街地 |
| 8月13日 | 壱岐の島 夜空の祭典 | 勝本港 |
| 8月 | 瀬戸納涼花火大会、壱岐大大神楽公演 | 瀬戸浦地区ほか |
| 10月10日~14日 | 聖母宮大祭 | 勝本町・聖母宮 |
| 秋~冬 | 壱岐神楽(各神社の例大祭) | 島内各神社 |
| 12月20日 | 住吉神社「壱岐大大神楽」 | 住吉神社 |
壱岐市のお祭りを一覧でご紹介してきましたが、いかがでしたか? 神話の時代から続く歴史と、島の人々が大切に守り継いできた伝統。壱岐島には、その両方が息づいています。
長崎市からはフェリーで約2時間半、博多港からは約1時間。意外とアクセスしやすい離島なんですよ。ぜひお祭りの時期に合わせて、壱岐島を訪れてみてください。きっと、島ならではの温かさに触れられるはずです😊
「旅は人を謙虚にする。世界の中で自分が占める場所が、いかに小さいかを教えてくれるから」
― ギュスターヴ・フローベール
今日の名言は、19世紀フランスの小説家フローベールの言葉をお届けしました。壱岐島という小さな島にも、700年以上続く神楽や350年の歴史を持つ祭りがあります。土地を訪れ、その歴史に触れることで、わたしたちは自分自身の立ち位置を見つめ直すことができるのかもしれません。みなさんの旅が、素敵な発見に満ちたものになりますように。


















